「血液を良くするマッサージ」と「リンパマッサージ」の違いは?
血液とリンパ液はどちらも体内の液体組織であり、それぞれ重要な生理学的循環機能を担っています。
“血液の流れを良くするマッサージ”は血液が心臓を中心として循環し、肺から酸素を取り込んだ血液は酸素と栄養を各組織に供給運搬して、代謝産物を肝臓や腎臓などに運びます。
血液には、赤血球や白血球、血小板、血漿などの成分から構成されていて、赤血球は酸素と二酸化炭素を運搬し免疫反応のサポートをします。また、血小板は凝固作用に関与しています。
これから寒くなる季節、「冷え性」に悩みがちな女性にとって血液の流れを良くする”血行促進の効果があるマッサージ”は重要です。
では、血液ではなく”リンパの流れを良くするリンパマッサージ”にはどんな効果があるでしょうか?
リンパ液は、体内の組織から細胞間液を収集しながら廃棄物や余分な体液を調節排除する役割を果たしています。
リンパ液は免疫系に関与し、体内の感染症や異物に対する防御機能を強化しながら、白血球やリンパ球などの細胞成分が含まれ、血漿と非細胞成分から機能されていて、血液とは違い赤血球や血小板はほとんど存在しないので色がありません。
リンパ液はリンパ管と呼ばれるリンパ系を通じて流れ、リンパ管からリンパ節を経由して、細胞間液と一緒に廃棄物を回収し、免疫細胞を運び体内の免疫反応を調節します。
皮膚や筋肉を切ると血液が出ることを全く体験していない人はいないと思いますが、リンパ液がにじんで出てくる事をじっくり観察したという人は以外と少ないものです。
火傷をするとリンパ液がにじみ出てふくらみその後、皮膚が乾燥して皮膚が再成されていく過程をじっくり観察してみると、切り傷と火傷の治り方の違いを理解することができます。
人体のリンパ図を観てみると、血液とは違いリンパ節が集まっている部分があります。
上半身ではうでの付け根の側の腋窩リンパや腕や首に多く集まり、下半身では脚の付け根の側の鼠径リンパや膝など・・・
どちらも大きな関節の側の肩関節、股関節(球関節のそば)に多く集まっています。
人間は立って行動できるように進化した事で、上半身の肩関節のそば(腋窩リンパ)より下半身の股関節のそば(鼠径リンパ)の方が重力の負荷がかかるため関節が詰まりやすくリンパの流れが悪くなり、ムクミがひどくなりがちです。
それ以上、カラダ中のリンパの流れが悪くなると手やうで、顔までのムクミの不調が現れてくるのをご存知でしょうか。
冬に向かって一段と寒くなり、冷え症やムクミが気になる季節。
カラダのどの部分にアプローチすることで「冷え」と「ムクミ」に対処して解消できるかを知り、体循環の良いカラダづくりを心がけて下さい。