カラダの皮膚が知らせてくれる歪みや不調1
全身の皮膚は人のカラダの全体を包む臓器で、前回ご紹介したように外側から順に、「表皮」「真皮」「皮下組織」の層状の構造をしています。それらの中には「血管」「リンパ管」神経系、「皮脂腺」「汗腺」などの付属器がありそれぞれが関わり合いながら機能しています。
また、皮膚は暑さ、寒さ、太陽光線、摩擦や毒物から守る働きをしています。
全身の皮膚は内臓の疲れや不調を知らせてくれる臓器です。血液やリンパの流れの良し悪しも皮膚を観ることで知ることができます。
また口からのど→胃→小腸→大腸の内壁も皮膚として考えられますし、耳の穴の内側も皮膚として考えられます。
体の皮膚の不調は”困ったものと考えやすく悩みの種になりがちですが、肉眼では見えにくい様々なカラダの内側の問題を私達に伝えてくれています。
今回は30年以上になる私の経験から知ることができたカラダの皮膚に表れる症状と原因をわかりやすくご紹介したいと思います。
足底から頭部までの不調や悩みになる問題を今回説明できたらと思います。
足の悩みには足底にできる「タコ」や「ウオノメ」また「外反母趾」や「ハンマートゥ」「水虫」「くつずれ」等があります。タコは足底の皮膚の角質層が内側から外側に向かって重なって発達し、古く固くなっています。
ウオノメはタコと違い皮膚表面にある温度や痛みに反応する神経の末端から内側へ伸びる神経の周りが円筒状に固くなって表面が固く厚くなっているものです。タコは簡単に取り除けますが、足のウオノメのフットケアは少し難しくなり深く固くなっている場合は一度に無理せず分けて施術する事が大切です。
これらは皮膚の表面に近く、表皮の角質層の処理なので皮下組織の血管を傷つけないように施術します。
原因は“歩き方の良し悪し”や“足の使い方のクセ”も関係しますが地球上に重力がある以上上からの体重の負荷も関係します。
皮膚の表面の角質が固く厚くなり、足の親指の外反母趾の外側や小指の外側の色が浅黒く変色して厚くなるのもタコと呼ばれたり、正座をしてできるひざや足首の近くにできる「座りタコ」もタコと呼ばれています。
これらの「タコ」や「ウオノメ」は原因を知り、根気良くまめにケアを続けることで解消していきます。
合わない靴やオシャレ靴も考えられますが、歩き方が前重心になっていたり猫背などの身体の歪みによる間違った姿勢の取り方でも外反母趾やハンマートゥ(ゆびが丸まってゆびの関節が固まっている)にもなってしまいます。
足底や足先に問題を抱え、不調があると正しい歩き方ができず足の中足骨や足首・ひざ関節・股関節がズレ、筋肉も硬く固まりやすくなり、脚の歪み(O脚・X脚・XO脚)の原因になってしまいます。
これらの関節の歪みがあるとカラダは益々ズレたり、ネジれやすくなり上半身にある頭部や胸部も歪んで、下半身からの歪みを調節しようと少しづつ更にズレやすくなってしまいます。
心臓から運ばれる血液は動脈の血管の中を下半身の足先まで流れて、足の指先で静脈と呼ばれる血管を通り上に上がり心臓に戻る役目をしています。
足底からふくらはぎを通り皮膚の表面から見える紫色の静脈瘤として血液の流れが悪い事を私達に知らせてくれます。
現代では世界中を巡り紹介された“人体展”などで本物の人間の血管に特殊な樹脂を流し込み、専門的に撮影された映像で見る事ができ紹介されているのでご存知の人も多いのではないでしょうか?
“今日は気分が良く足が軽い!””今日は疲れて足脚が重い!”と感じることがあります。
人間のカラダは血液やリンパの流れが良いと軽く感じ、流れが悪いと重く感じて上向きになったり下向きに下がったりします。
前回でご紹介した疲れて歩く“ボトボト歩き”や筋肉を鍛え増やしたい為の
“頑張り過ぎ歩き”は足底に負荷がかかり過ぎる(不調の原因)にもなりやすいので楽しく颯爽と胸高で歩きましょう。
脚の歪みの原因には歩き方があります。常々、お客様には歩き方には2つの方法があり、洋服やボディを美しく魅力的に見せる為のウォーキング(モデル歩き)と長時間歩いても脚を歪めたり痛めたりしないウォーキング(股関節の下に膝その下に足の中指がくる歩き方)があることを知っていただきます。
マラソンや長時間歩きには一直線上を歩くモデル歩きではすぐ疲れたり痛めたりしてしまいます。
筋肉の質にもよりますが、内股過ぎても外股過ぎても同様です。
長時間走ったり、歩いたりする為には足の骨の上側の甲と足の骨の下の足底の筋肉を良く使い分けますが、足の甲側を良く使うと着地したり停まったりする時に使いやすく下方に重心が下がってしまいます。
逆に骨より足底の筋肉を良く使うと脚力は力強くなり、カラダが上に伸びやすくなります。
バランスよく使う長距離マラソンでは、スポーツ科学が研究され応用されつつあります。
動物は求愛の時、雄が目立つように色が美しくなり、動きを出して存在感をメスにアプローチしています。
モデル歩きは半世紀に渡って布がすれあう音や洋服の動きをアプローチしながら美しく魅力的に見せてくれますが、一日中歩くハイキングや山歩きには向きません。
私自身が長年形の美しい靴を好み、道路上の白線を一直線に歩いた癖で外反母趾になったことを知り後悔しました。
一直線上を歩く歩き方の癖はひざが中央に寄り、股関節が外側にズレて骨盤が広がります。
骨盤が横に広がると背骨を支える仙腸関節は緩んでしっかり背骨を支えにくくなってしまいます。
しかも背骨の上には5〜6kgもある頭蓋骨があるのです。
加齢と共に筋肉が弱ると歪んだ脚や歪んだ骨盤では上半身の背骨をしっかり支えにくくなり、身長が詰まって低くなったり背骨が前後に歪む猫背姿勢や左右に歪む側湾症になりやすくなってしまいます。
カラダが歪むと歪みがひどい部分の近くの“肌色が悪く”なったり、“吹き出物” “かゆみ” “ニキビ” “手の指先のひび割れ”などでカラダの内側の状態を知ることができるのです。